[MIYAMASUストーリー]

2014.12.24

[MIYAMASUストーリー]

「クリスマスイブ」

 

午後9時半。平日のクリスマスイブ。もう1時間半待った。

あと、10分待とうと思う。

「年末の平日で仕事が溜まって、もしかしたら行けないかも」と付き合ったばかりの彼から朝ラインが入る。

ワインのボトルは1本空いてしまった。

周りは幸せそうなカップル。そのカップルたちがチラチラ私を見ているのがわかる。

「あ~、みじめ。最悪なクリスマスイブだ・・。」

2本目のワインを注文し、生ハムのレギュラーを注文する・

「この生ハムは、ふぐ刺しのようにフォークで一気に取るんだよ。塩気があるから赤ワインとの相性も抜群なんだよ。と彼は話していたっけ。

ダァ~~っと生ハムをフォークですくう。野菜と一緒に頬張ると、これがなんともやさしい味に変わるんだな。

フッと、後ろから抱きしめられる。満席の中、大胆な行動をとる男だと半ば怒りつつ、涙が出るほど嬉しかった。

レギュラーの生ハムはやっぱり一人では食べきれないんだよぉ。

ラストオーダーまであと10分。オーダーはまだ大丈夫。

私たちもずっと大丈夫だよ。

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